E74文族の春:攻略記事:基数計算の意味と使い方
著:風野緋璃@FEG
1. 前書き
このテキストは
- とりあえず評価値とかリアルデータ(RD)の意味くらいは分かる
- 個人ごとの評価値の出し方くらいは分かる
- 基数って何? or 基数計算ってあんまり使えなくない?
- 少しは計算できるようになりたいんだけどどうしよう or 計算疲れたよ
といった人を対象にしています。
藩国に編成できる人が居なくて困っている人、評価値計算という重作業に疲れている人などの役に立てば幸いです。
2. はじめに
そもそも、基数という言葉から聞きなれない方も多いと思います。基数には様々な意味がありますが、大雑把には「何かをまとめて扱うときに基礎となる数」のことだと思って下さい。例えばダース単位で数えるときの基数は12と言えますし、10進数の基数は10、2進数の基数は2です。
アイドレスにおいては基数とは「計算の基準とする評価値」もしくは「その部隊が、基準とした評価値で何人分の能力を持っているか」のことを指します。
詳しくは、以下のような例で考えてみます。
例:評価5が5人、評価6が1人、評価8が2人の部隊の合計評価値を算出するルールどおりに計算するなら、
- 数学が得意な人向け
- 1.5^5 * 5 + 1.5^6 + 1.5^8 * 2 = 100.62
- log 100.62/ log 1.5 = 11.37 ≒ 評価11
- 1.5^5 * 5 + 1.5^6 + 1.5^8 * 2 = 100.62
- 数学が苦手な人向け
- 評価値とリアルデータ(RD)の対照表(※今回は必要RDは使わないのでこの項目は無視してください)などを参考に、RDの足し算をする。表によれば評価値が5ならRDは7.59、6なら11.39、8なら25.63なので、7.59×5 + 11.39 + 25.63×2 = 100.6となる。
- 同じくRDと評価値の変換表を見る。RD100.6に一番近いのは評価11
- 評価値とリアルデータ(RD)の対照表(※今回は必要RDは使わないのでこの項目は無視してください)などを参考に、RDの足し算をする。表によれば評価値が5ならRDは7.59、6なら11.39、8なら25.63なので、7.59×5 + 11.39 + 25.63×2 = 100.6となる。
これをもう少し簡単に、大雑把に計算するのが基数計算です。
3. 基数計算の基本
基数計算でも評価値とRDの対照表を使います。但し、RDのところを人数、評価値のところを評価差分と読み替えてください。例えば、評価差分が0なら人数は1人です。
前述の対照表では小数が多くて暗算に向かないので、大雑把な計算をするときにはこのページの最後に添付してある簡易表を用いても良いでしょう。
まず、評価値5が5人いる場合の評価合計を基数計算で算出してみます。上記の表によれば5人のときの評価差分は+4ですから、(元となる評価値)+(人数による差分) = 5 + 4 で合計評価は9と計算できます。同様に
- 評価xがy人 …… 合計評価 x + (y人に対応する評価差分)
- 評価1が4人 …… 合計評価 1+4=5
- 評価5が11人…… 合計評価 5+6=11
となります。
このように同じ評価値の人が何人かいる場合、表があれば簡単な足し算のみで一分もかからず評価値合計を出せます。
では、先ほどの例に戻ります。評価5が5人、評価6が1人、評価8が2人の場合はどうでしょうか。
方法は何通りかあります。
一番簡単なのは、「評価5が8人いる部隊よりもは少なくとも合計値が高いのだから、最低でも5+5=10になるはずだ」と考えてしまうことです。評価値は少なく出す分にはペナルティを受けないので、この計算方法でも問題はありません。
次に、もう少し余力があるのでもっと正確に計算したかったとします。評価値が等しければ簡単に計算できるのですから、同じ評価値のグループを作っていきましょう。ここでは、一番高い評価に合わせる方法と一番人数が多い評価に合わせる方法をご紹介します。
どちらにしろ
- 基準とする評価値(=基数)で言えば何人分の能力と言えるかを計算する
- (基数) + (合計人数に対応する評価差分)
A) 一番高い評価に合わせる方法
- 特徴
- 小数が混じらないので計算が楽
- ややパズル的な要素有り
- 方法
- 各メンバーの評価値と基数との差分を計算し、何人集めたら基数に出来るか考える
- 評価値が基数になるようなグループを作成する
- 基数+(合計グループ数に対応する評価差分) を計算する
先ほどの例で考えると一番高い評価値である8が基準、つまり基数となります。
まずは、評価値5の5人と評価値6の1人を組み合わせて、評価値が8になるようなグループを作っていきます。
(基数) - (計算対象の人の評価値) = 8 - 5 = +3 ですから、評価差分+3に対応する人数を簡略表で確認します。3〜4人となっていますので、評価値5が3人集まれば評価8になると分かります。簡略表中で人数表記に幅がある場合は、一番低い数字を使えばOKです。
評価値5が3人でまず1グループ作れました。残ったのは評価値5が2人と評価値6が1人です。この3人は先ほどのグループより少しだけ高い合計評価値なので、やはり評価値8の1グループとして扱います。
よって
- 評価値8×1人
- 評価値8×1人
- 評価値5×3人
- 評価値5×2人、評価値6×1人
B) 一番人数が多い評価に合わせる方法
- 特徴
- 計算に小数が混じる可能性がある
- 計算回数が少なくてすむことが多い
- 方法
- 各メンバーの評価値と基数との差分を計算し、表を使って人数に換算する
- 上記の人数を合計する
- 基数+(合計人数に対応する評価差分) を計算する
同じく先ほどの例で考えると、一番人数が多いのは評価値5ですので、これが基数となります。
評価値5を基準とすると評価6は差分+1、評価8は差分+3です。それぞれ表を見ると、1.5人、3人に該当します。つまり、評価6が1人は評価5が1.5人いるのと同じことですし、評価8が1人いるのは評価5が3人いるのと同じことです。
よって、この部隊は合計で評価5の人が5 + 1.5×1 + 3×2 = 12.5人いるものとみなせます。人数が12.5人に対応する評価差分は+6ですから、5+6=11で合計評価は11となります。
4. 基数計算の有効性
次に、基数計算の有効性について考えます。
現在編成を得意としている人の中で基数計算を使用する人は、ほとんどいないと思います。これには、
- 基数計算よりルールにのっとって計算した方が正確な評価値が出せる
- 各種ツールを使用しているので、厳密計算にもあまり労力がかからない
などの理由があるでしょう。
これらについて考察していきます。
A) 評価値は正確な方がいい?
これは評価値計算に限りませんが、アイドレス戦闘においては
- 規定の時間に間に合わせる
- 効率のよい作業をする
ことは大変重要です。
提出物が間に合わなければARペナルティを受けたり行動が自動失敗利したりします。
また戦闘は時を選ばずしかも頻繁に発生しますから、常に万全の人員で全力を持って対処することは不可能です。準備にかける時間と得られる効果が釣り合うよう良く考えた作業をする必要があります。
つまり、必ずしも100点満点の編成を目指すことがいいとは限りません。85点の編成をするのに30分、100点の編成をするのに3時間かかるならば、85点の編成で我慢し他の作業でポイントを稼いだ方が得てして有効です。
つまり、概算の低めの評価値だろうが瞬時に計算できることは重要ですし、評価値を完璧に出すよりもほかの事を優先した方が良いケースもあります。
これらの場合、基数計算は優れたツールとなります。
B) 計算ツール使えば?
確かに計算ツールがあれば、基数計算と厳密計算でもあまり速度が変わらないことは多々あります。
それでも
- ツール作成者が多忙で、新規獲得アイドレスへの対応が遅れている
- 編成データは必ずしもフォーマットを守ってもらえないケースが多いので、ツールに入力できるよう整形するだけでひと手間かかる
- 突然ツールが強制終了した
- そもそもパソコンのスペックが低くあまりソフトを立ち上げられない
- 携帯参加者である
- エクセル等の使い方が良く分からない
など、色々な場合が考えられます。
基数計算は正確ではありませんが、表さえあればいつでもどこでも簡単に、誰でも運用が可能なことがポイントです。
5. 計算手順の一例
前述の基数計算の特徴を踏まえたうえで、基数計算の利用例を考えてみます。ここで言う厳密計算とは1.5^nとlogを使った手法のことです。
- 体格〜幸運の全ての評価値の概算を基数計算で出す
- この時、着用アイドレスが出来るだけ統一されていると便利です。(着用アイドレスの評価)+(参加人数による評価差分)で手際よく評価値を出してしまいましょう。
職業4や勲章の効果は一時的に無視しても大丈夫です。但し職4にはマイナスの評価値があるため、例えば護民官や参謀が多い場合は敏捷を-1して計算するなど、安全策が必要になることもあります。
この作業が終わったらひとまず戦闘準備終了です。他に人手が足りない作業があったらそちらを手伝いましょう。疲れていたら休憩を取りましょう。ここから先は、あくまでオプションの作業です。 - 職4でマイナスが入っている評価を厳密に計算しなおす
- 評価値の過大申告は巨額な罰金対象となります。不安な部分は早めに計算しなおしましょう。
- 得意な行動・確実に判定を行う行動の評価を厳密に計算する
- 例えば魔法使いなら詠唱戦用の知識と器用の値ですし、剣なら白兵戦用の体格と筋力の値がこれに該当します。よく使うだろう評価値、切り札となりうる評価値については厳密に計算しなおして正確な値を出しておきましょう。運がよければここで評価値が1〜2上がったりします。
- 個人でブーストしている人がいる評価値を厳密に計算しなおす
- 評価値にばらつきがあればあるほど、基数計算の概算値は不正確なものになります。特に吏族ダンスパーティで食事を食べた人や、職業4を着て特化した値になっている人がいる評価(例えば海堂さんの外見など)は、厳密に計算しておきましょう。
- 使う可能性の低い評価については概算のまま
- 例えば整備士の筋力のように、使うような状況がそもそもおかしい・判定が発生したら9割がた失敗するといった評価値については概算のままでかまいません。厳密に計算する暇があったら別のことに労力を使いましょう。
6. まとめ
- 基数計算のメリット
- 特別な知識やツールが要らない
- 慣れれば数秒で計算できる
- 複数部隊を同時に動かそうとした時などの評価値予測に便利
- 基数計算のデメリット
- 概算値に過ぎないので、実際の能力より少し低く計算されることが多々ある
- 評価値にばらつきが多いとあまり計算が楽にならないか、計算誤差が大きくなる
- Tips
- 時間に間に合わせて数字を出すことが一番大切。評価が低い分には問題なし。まずは概算をしよう
- 職4も勲章もとりあえず無視してOK
- 計算ミスが不安な時はとりあえず低い方に合わせよう
- よく使いそうな能力、得意な能力、勲章効果等でばらつきが激しい能力は厳密計算するのがベスト
- 着用アイドレスを出来るだけ統一する(評価値を出来るだけ揃える)ことで計算負荷を大幅削減できる。75%制限対策にも有用
(約4400文字)
簡易表
人数 | 0.3 | 0.4 | 0.7 | 1 | 1.5 | 2 | 3〜4 | 5〜6 | 7〜9 | 10〜13 | 14〜20 | 21〜31 | 32〜47 | 48〜 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
評価差分 | -3 | -2 | -1 | +0 | +1 | +2 | +3 | +4 | +5 | +6 | +7 | +8 | +9 | +10 |